貸借対照表は、会社の財政状態を表します。
したがって、会社の健康状態がわかり、資金繰りが健全か、危険な状態かをチェックすることができます。
貸借対照表を使って、会社の健康診断を行ってみましょう!
流動資産と流動負債、固定資産と固定負債のバランスが取れ、自己資本も多いようなケースは理想的であり、いわば健康体といえます。
しかし、赤字が続く、過度な節税対策により利益を出さないような状況が続くと、当然自己資本比率が低下し、安全性が損なわれます。
その結果、下記のような不健康な状態になります。
固定資産が固定負債+自己資本を超えて大きく膨らみ、流動負債が流動資産を大幅に上回っているケースは、一種のメタボリック症候群のケースと言えます。
この場合は資金繰りの悪化が懸念されます。
<要因としては>
多額の設備投資資金を、短期借入金で調達している。
<治療方法としては>
遊休資産の売却や、短期借入金の長期借入金への変更。
などが考えられます。
売掛金などの売上債権が大幅に増加し、資金繰りが悪化しているようなケースは、一種の動脈硬化を起こしているといえます。
<要因としては>
売掛金の回収が疎かになっている、処理されていない不良債権がある、売掛金の回収サイトが長い取引先がある。
<治療方法としては>
得意先別の売掛金管理を強化する。
などが考えられます。
棚卸資産が必要以上に増加し、資金繰りが悪化しているようなケース、いわば一種の糖尿病といえます。
<要因としては>
不良在庫や回転率の悪い商品の増加、在庫管理が疎かになっている。
<治療方法としては>
不良在庫の処分や在庫管理の徹底、月次棚卸を行う。
などが考えられます。
仮払金や仮受金などの内容の不明確な資産・負債が発生しているようなケースは、一種の記憶喪失といえます。
<要因としては>
精算の遅れや、経営者の公私混同、経営者からの一時的な借入金の増加。
<治療方法としては>
早期の精算体制を整える、貸付金等の返金、役員借入金の資本金への組み入れ。
などが考えられます。
負債の合計が資産の合計を上回っており、債務超過の状態になっている。このケースはまさに入院が必要と呼べるものです。
<要因としては>
赤字決算が続いている、上記の症状を放置した。
<治療方法としては>
経営全般の抜本的な見直し・立て直し、経営計画の作成・実行。
を行う必要があります。